夏も手洗い!

北海道ぶどう膜炎連携フォーラムを聴講してきました。

はやり目(流行性角結膜炎)の原因ウイルスはアデノウイルスの主にD型だそうですが、そのD型の新型ウイルスによる重症のぶどう膜炎が世界で初めて報告されていました。

その症例は、新型ウイルスということで、決め手となる治療薬がなく、ウイルス量を減らすために硝子体手術が行われ、一定の効果はあったようでした。

はやり目(流行性角結膜炎)にかかると、ぶどう膜炎になって手術が必要になるかもしれない、と心配しなければならいかというと、そういうわけではありません。血液のがん や AIDS などの免疫不全状態でない普通の状態のヒトにアデノウイルスによる重症ぶどう膜炎は発生していません。

これから、夏。プール熱(咽頭結膜熱)や はやり目(流行性角結膜炎)といった、アデノウイルスによる結膜炎が増える時期です。プール熱と はやり目 はウイルスの型は違いますが眼科開業医としては診断と治療方針は同じです。

涙を採取してアデノウイルスが検出されれば、確定です。潜伏期間はウイルスがいても陽性にはなりませんので、陰性だからといって油断はできません。

対処方法としては、まず、手洗い! 家族でのタオルの供用をしない! 目を触らない! 清潔に保つ! などが特に重要です。

治療としては、一部の薬局にしかおいていませんが、ヨード製剤の点眼「サンヨード」を発症早期に点眼すること、です。エキスパートの先生も、点眼すると臨床症状がかなり早く改善するという感触を持っていらっしゃいました。サンヨードの知名度は、おいてある薬局が少ない(普通は置いていない)し、眼科医が処方する点眼のカテゴリーに入っておらず、「市販薬だけど医師の指示が必要」みたいな分類になっていて、処方(というか使用指示をした)経験がない眼科医も少なくないし(多くの医師は患者さんにどこの薬局で売っている?と聞かれてもわからないし、製薬会社にとっても利益が上がる点眼ではないので積極的に医師への宣伝をしないから)、患者さんが実際に点眼してくれたかどうか良くわからない、薬剤が高い(健康保険適用外 1本 1500円くらいだったかと)、溶かし方が難しい、しみる、作ってから3日しかもたない(最長7日)などの問題点があるため、まだまだ認知度が低いのが現状です。耐性菌を作り出すことがないという点では、眼科医が(気軽に?)処方している抗菌薬点眼より、市販薬としてむしろお気軽に使ってもらいたいと言える点眼ですが・・(ヨードアレルギーのみ禁忌)

アデノウイルス結膜炎は接触感染力が非常に強いため、子供は登校禁止となります。

大人も必要に応じて診断書を書いて、在宅ワークなどに理解を求めてもらっています。

肝心の 出席停止期間 や 出勤停止期間 を診断書にどう記載するかですが、実は、眼科医によってまちまちですし、咽頭結膜熱と流行性結膜炎の区別も(ウイルスの型は違うことになっていますが)、ふんわりしているのが現状のようです(木村の個人的見解)。コロナの時と同じように、感染症の隔離期間というのは、ウイルスの型、患者さんの背景、社会情勢にもよるので一概に決めるのがなかなか難しいのです。学校保健法では咽頭結膜熱は「症状が良くなってから2日経過するまで出席停止」となっています。

木村はアデノウイルス結膜炎の確定診断がなされた患者さんには、大人には「発症後、治療しても3・4日後に、とても悪くなることがあります。サンヨードが有効な治療薬ですので、お買い求めください。接触感染力が非常に強いので、職場で感染が広がる恐れがあります。2週間ほど感染力が続くので人と接するお仕事であればお休みしなければなりません。」とお話しするのを基本としています。

アデノウイルスは乾燥にもアルコールにも耐性があり、アルコール消毒すればオッケー、というわけにも行きません。

やはり、予防! 眼科医もアデノウイルス結膜炎に感染してしまえば、クリニックを一時的に閉めざるを得ません。スワン アイ クリニック を開院して、13年目になりますが、アデノウイルス結膜炎の院内感染は幸い、起きたことがありません(コロナ・インフルはあります・・)。

手洗い! ふだんは目を擦らない!(清潔な環境ではまつ毛根本を毎日よく洗うべき) を実践しています。

関連 2022年にサンヨードについて書いたブログ↓

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