血圧が高いと緑内障になるのか?ならないのか?

「血圧と眼圧/緑内障は関係ありますか?」

とたまに患者さんから聞かれます。

「関係ありません。(たまに追加で、「低いと正常眼圧緑内障の方は進行しやすい」という話もありますが)」とお答えしています。この回答を今後は「直接は関係ありませんが・・・」という回答に変えようと思います。

詳しくいうと、「高血圧を引き起こす原発性アルドステロン症も正常眼圧緑内障のリスクになるようです。過度に心配する必要はありませんが、健康診断など含めて、たまには血圧を気にして測定しておくことはとても良いことです。(低い血圧が緑内障進行リスクという話もあります)。血圧が高いなどあれば必ず内科は受診しておきましょう。高血圧は動脈硬化、脳梗塞、心筋梗塞などのリスクも上がりますから。普段の血圧はどれくらいでしょうか?しばらく血圧測定していないなら、簡易的な眼圧測定として、脈を触れさせてください。」と回答しようと思います。

広島大学の 廣岡 教授の講演会を拝聴しました。私、知らなかったのですが、

「原発性アルドステロン症があると非常に(2倍)正常眼圧緑内障になりやすい」

とのことです。https://www.hiroshima-u.ac.jp/news/85637

原発性アルドステロン症の、木村の認識は「たまーにある、高血圧の原因のホルモンの病気で、めちゃ血圧高くなる」というイメージでした。しかし、日本に原発性アルドステロン症の患者さんは100万人ほどいるとのことで、私の認識より、原発性アルドステロン症による高血圧の患者さんは多い(高血圧症の5%)ようです。眼底を見たら、とても眼圧の高い患者さんはなんとなくわかるのですが、100万人も原発性アルドステロン症の患者さんがいるとなれば、私が正常眼圧緑内障だけ(まさかアルドステロン症はないだろう)だと思って治療している、多数の患者さんの中には、まだ診断されていない原発性アルドステロン症の患者さんがいることが推定されます。

眼圧測定に関しては、目に風を当てて測定する、非接触 、ノンコンタクトトノメーター で測定するのが、清潔・迅速・客観的 のメリットがあるので98%くらいの眼圧測定がこの方法で、当院では測定しています。たまーに 木村が「接触法で測ってみよう」と思った時に、麻酔した上で、目にそっと測定器具を触れて眼圧測定してみます。血圧のように明らかな拍動がみられる患者さんが時々いらっしゃいます。講演会などでは聞いた記憶はありませんので木村個人の感想レベルですが、この拍動があるかないかは、緑内障進行リスクに、個人的には結構関連があると感じています。