眼科医会の生涯教育講座を聴講してきました。

皆様に役立ちそうなことをかいつまんで・・・

65歳以降くらいで 多焦点眼内レンズを用いた白内障手術を検討してる患者様へ

EyesArc (アイズアーク と読むそうです)というアプリがあることを知りました。↓

Vision Simulator EyesArc

多焦点眼内レンズには単焦点眼内レンズにはない、メガネなし生活を目指すことができるメリットがありますが、デメリット/限界 もあります。

現在、いろんなレンズがあって、どれを選べば良いか、基本的には一生で1回の手術なので、とっても悩ましい問題です。

良いものは価格が高い、価格が高いものは質が良い ことが一般的に多いのは事実です。しかし、多焦点眼内レンズに関しては、価格よりも、「多焦点眼内レンズを用いた白内障手術を受けた後に、どのような場面を重視してメガネなしの豊かな生活を送りたいか?手術を受けて楽しみたい趣味は?」などが、多焦点眼内レンズを選択する上で、重要です。

多焦点眼内レンズを用いた白内障手術を受けると、「近くも、中間距離も、遠くも、明るい時も、暗い時も すべて子供の時のようにはっきり見える」ようになるわけではなく、元々の黒目の大きさ(瞳孔径)によっても推奨されるレンズが変わってくるそうです。

白内障以外の目の病気の有無や重症度によっては適応になりませんし、選んだ眼科で、生活にマッチする、多焦点眼内レンズを扱っていない可能性もあるかと思います。

以下は私見です。

多焦点眼内レンズを用いた白内障手術に興味をお持ちの患者様は、札幌かとう眼科 さんを紹介しています。私の知る限り、東北以北で多焦点眼内レンズの実績もトップですし、技術・設備も最高水準です。決して無理に高い手術を勧めることもなく、患者様に最適な治療方法を提案してくれると思います。選べる多焦点眼内レンズの種類も豊富です。

私見は以上まで。

糖尿病黄斑浮腫の治療について

糖尿病網膜症で黄斑にむくみが生じてしまうと、視力が低下してしまいます。

早期診断・早期治療が重要で、高い薬剤ですが抗VEGF製剤を眼球に注射することで視力維持が可能になってきています。

最初にしっかりと、月一回、3回連続で注射することが治療効果のためには必要なのですが、高い薬剤(最近当院でよく使用している 「バビースモ」は1回の注射薬剤代が16万円でしたが、最近薬価が下がりました。それでも1回の薬剤費用は13万円ほどです。保険適応でその3〜1割を負担いただくことになります。上限あり。)ですので、現実は、なかなか理想の頻度で注射を受けることができない患者様が大半です。

毎月のように眼球に注射するのは大変なので、内服での糖尿病黄斑浮腫の治療薬も治験が進んでいるそうです。

マイボーム腺炎角結膜上皮症 という疾患概念があります

クラリスロマイシンという抗生物質の内服を長期投与で治療したりします。

なかなか治らない、高齢者のドライアイの中には、マイボーム腺炎があるかもしれません。

マイボーム腺を温めたり、清潔に保つことは 結膜炎・角膜炎 だけでなくドライアイ対策として重要です。