高校生以下の方へ:「札幌市子ども医療費受給者証」はお得です!
「札幌市子ども医療費受給者証」(紙の受給者証です)をお持ちの方は、受付の際、マイナンバーカードとともに必ず、提示をしてください。高校生以下のお子様を学校帰りなどに一人で、スワンに受診させる場合など、保険診療部分の窓口負担が、非常にお得になりますので、「受付の時に受給者証を提示するように」とお子様に持たせてください。ただし、オルソケラトロジーや低濃度アトロピン点眼などの自費治療分には適応されません。
初診料の時は580円、再診療の時は無料に窓口負担が減免されます。
札幌市では、今年度から高校生まで「子ども」扱いになっていたそうです。院長が把握できていなくて、ご迷惑をおかけしてしまった患者様、大変申し訳ありませんでした。子どもの扱いが、小学生、中学生、高校生、と徐々に拡大されてきていたそうです。
スワンでは、検査内容などにもよりますが、結膜炎の初診の患者さんの3割窓口の自己負担はお薬代こみで大体 2300 円 〜 3500 円くらいです。コンタクトレンズの定期検査(必要であればヒアルロン酸点眼やアレルギー点眼などの投薬も含む)の保険診療の窓口負担も初診料の時は580円(通常、スワンだとコンタクトレンズが主な目的の場合、3割負担で1500円〜2500円くらい)、再診料の時(スワンではコンタクトレンズが主な目的の場合3割負担でお薬含めてざっくり、1000円くらい)は無料に減免される、ということになります。まとめると、受給者証を提示するだけで1000円から3000円くらいお得になるイメージだと思います。ヒアルロン酸点眼の在庫不足についての院内処方の自主制限については後述します。
結膜異物などで急に目が痛い、ものもらい、結膜炎、アレルギーなどで、高校生以下の患者様が、保護者の方に事後報告で、マイナンバーカードをお持ちになり、急遽、スワンに受診される場合もあるかと思います。そのような場合、治療は早い方が基本的には良いので、とりあえずマイナンバーカードで受診していただき3割負担でお支払いいただき、あとで保護者のかたに「ウチ、受給者証ある?」と聞いてみてください。年収がかなり多い世帯でも対象になるようです(院長の予想で9割くらいの家庭?)。

もし、受給者証があれば、お手数ですが、受診した月のうちに、再度経過を診せてもらいがてら、スワンを受診して受給者証を提示してください。再診では窓口負担なんと無料で、かつ、初診時に580円以上支払っていた場合は、差額の返金が受けられます。
過去にスワンに受診いただいたことがある患者様でも、前回受診から数ヶ月以上経過していると、原則、初診料になります。同じ疾患で数ヶ月以内に定期的に通院いただいている場合は再診療です。
ヒアルロン酸点眼不足とOTCについて
北海道は特に冬、乾燥するので、これからの時期、ヒアルロン酸点眼の需要が伸びるのですが、最近、十分な量の点眼を処方することができなくなっています。5・6年くらい前から、このお薬不足は生じてきて、だんだん状況は厳しくなってきている、というのが、木村の感覚です。他の診療科の医師も、ご自身が処方する診療科のお薬不足関しては同じように感じているのではないかと思います。
ヒアルロン酸点眼に関しては、10年前は「8本処方してほしい」と言われたら、「どうぞどうぞ」と処方していました。医薬品卸に発注したら、早ければ、当日、遅くても翌日にお薬がクリニックに届いていました。
ところが、最近は2週間経っても納品されない、ということが頻繁に起きるようになってきて、周辺の調剤薬局に「〇〇の在庫ありますか?」などと電話で確認して(これも薬剤師さんも当院のスタッフも手間が増えてしまいますが)院外処方に切り替えてお薬を取りに行ってもらうように、患者様にご面倒をかけることがしばしば生じるようになっています。
おかげさまで、スワンを選んで受診しに来ていただけている患者様が増えていることもあり、皆様に行き渡るように調整すると、現状、一回の処方するヒアルロン酸点眼をお一人、1回の受診あたり原則3、4本まで、とさせていいただいているところです。ご不便をおかけして申し訳ありません。在庫が厳しくなった時は2本にさせてもらったり、在庫が0になってしまった時は「ごめんなさいもうありません。調剤薬局に処方箋を持って行ってください。多分、まだ、在庫あると思います。いつもと違うジェネリックメーカーになっても使用してください。」とお話ししたりしていました。
ドライアイは決して軽んじることができない疾患ですし、ヒアルロン酸点眼を使用することで、実用視力の向上を含めた自覚症状の改善効果が即効性で得られますので、患者さん満足度の高いヒアルロン酸点眼は、保険適応のお薬として必要であることは異論がないところだと思います。
うがい薬や湿布薬などのように、ヒアルロン酸点眼も、処方なしで、市販薬としてドラッグストアで購入できるように、実は、すでになっています。危険な点眼ではないので、処方せんが不要なのは全く問題ありません。発売されたのは5年くらい前でしょうか。私がよく処方する、「0.1%ヒアルロン酸点眼」は市販されている「ヒアレインS」と同じといって差し支えありません。大きく違うのは価格で、ヒアレインSは5ml 1 本 、約 1000 円!。1本だと、1日4回点眼すると2週間くらいで、平均的には消費される量です。市販されている点眼は15mlくらい入っているものが多いと思うので、「少なっ!高っ!」と感じる人が多いと思います。保険診療では ヒアルロン酸点眼5mlを2本院内処方することによる自己負担増加分は3割負担のかたで300〜400円くらいです。

卸も国もメーカーも決してサボっているわけではなく、医薬品安定供給のために、目標を掲げたり、中小企業が多いとされるジェネリックメーカーの統廃合や役割分担(この辺、中小規模の田んぼを集約してコメの製造コストを削減しようとする話と似ているように思いました)を進めて生産性を高める気運も出てきているようです。
個人的にはプリンターのトナー黒のように、使用頻度の高いお薬は「ヒアルロン酸点眼 大容量タイプ10ml !」みたいのが、医薬品でもOTCでも良いので出てくればいいのになあ、と思って、メーカーの担当者の方などによく提言はしています。点眼用量あたりの製造コストは一気に下がって、手っ取り早く、薬剤不足の解消効果が得られると思うのですが。
高品質・低価格 な日本の医療が、携わるすべての人の、献身や犠牲を伴わずに、維持されることを願います。インフレによる仕入れや製造コスト上昇を簡単には転嫁できない医療業界においても、優秀な人材を確保・育成してゆくためには、インフレに負けない賃上げも必須です。
マイナ保険証を導入したり、賃上げをしたりするために、物価上昇分ほどではないと思いますが、初診料や再診療に付随する患者様負担も増えて、スワンでも、患者様から頂戴しています。コロナ前と比べると、おそらく1回の受診あたり、100円くらいは増えていると思います。病気や治療に対しての説明が私の本分ではありますが、医療も経済の一部です。物価高騰で家計が逼迫する中、活用できるお得制度は活用してもらえるように情報発信するのもよかろうと思って書いてみました。
中学生・高校生のコンタクトレンズユーザー にむけて
高校生は受験や就職活動が忙しくなって、本当に時間が取れなくなってしまう前にお得な制度を活用して、お気軽に来てもらえると良いかな、と思います。中学、高校の時に近視が進行せずにメガネの度数を更新しなくてすむ学生は、現代では非常に少ないです。そして、中学生・高校生のコンタクトレンズユーザーは、結構、無理しがちです。油断して、手を洗わずに装着したりしていませんか?目が充血しているのに、「少しだから大丈夫だろう」と思ってコンタクトレンズを何日もつけ続けてしまっていませんか?コンタクトレンズ障害も早期に発見すれば、数日コンタクトレンズをお休みするだけで回復することが多いですが、慢性的なコンタクトレンズ障害になると数週間以上コンタクトレンズを休まなければ回復できなかったり、不可逆性の角膜混濁を残してしまうこともあります。
スワンでは中学生のコンタクトレンズは保護者の同意が必須です。きちんと管理してくれる賢い中学生もたくさんいますので、中学生だからコンタクトレンズは禁止、とはしていません。眼科に受診せずに、コンタクトレンズを購入できてしまう現実があります。親に言わずにこっそりコンタクトレンズを購入して、独自に使用してしまっている高校生も残念ながらカラコンユーザーを中心に、たくさんいます。
「眼科にかからずにトラブルが起きてしまったのだから、コンタクトレンズの角結膜炎は治療しないよ!」みたいなことは決して言いませんので、少しでも異常を感じたら、コンタクトレンズの使用を中止して、眼科を受診しましょう。そして、中学生はもちろん、高校生も大人も、コンタクトレンズユーザーは必ず定期検査を受けましょう。